カードの性能
- タイプ・HP: 雷タイプのたねポケモンで、HP200。
- テラスタル: 特別な「テラスタル」のポケモンであり、ベンチにいるかぎりワザのダメージを受けない共通効果を持ちます。
- 弱点:闘、抵抗力:なし
- 特性「がんばりハート」: このポケモンのHPが満タンの状態でワザのダメージを受けて気絶するとき、気絶せずに残りHP「10」で場に残ります。一度だけですが、実質的に相手の攻撃を一度耐えることができる特性です。
- ワザ「トパーズボルト」:
- エネルギーコスト:草エネルギー1枚・雷エネルギー1枚・鋼エネルギー1枚の計3種。
- ダメージ:300ダメージ。
- 効果:このポケモンについているエネルギーを3個選び、トラッシュします(攻撃後、自身のエネルギーを3個トラッシュする)。
ゲームでの使い方と評価
▶ 強み(長所)
ピカチュウexは300という非常に高いダメージを与えられる強力なアタッカーです。多くのポケモンexを一撃で倒せる火力があり、サイドを一気に2枚ずつ取りに行ける点が魅力です。
また、特性「がんばりハート」により相手の攻撃を一度耐えられる耐久力も持ち合わせています。HP満タンの状態であれば相手のワザで倒されずにHP10で踏みとどまり、もう一度攻撃するチャンスや後続にバトンタッチする猶予を作ることができます。
高火力と一時的な粘り強さを両立しており、雷タイプのたねポケモンex+テラスタルという点もあってサポートカードが豊富で扱いやすいと評価されています。
▶ 弱み(短所)
最大の課題はワザのエネルギー要求が厳しい点です。草・雷・鋼という異なる3タイプのエネルギーを揃えなければならず、通常の手張りだけでは運用が難しいため、専用のエネルギー加速手段やデッキ構築上の工夫が不可欠です。
また、特性「がんばりハート」はHPが満タンであることが条件なので、事前にダメカンを載せられると無効化されてしまいます。たとえば、ベンチポケモンにもダメージカウンターをばらまく攻撃には弱く、戦場に出る前にダメージを負うと特性が発動できなくなります。さらに、一度耐えた後の残りHPが10しかないため、次のターンにはどんな攻撃でも倒されてしまいます。
テラスタルの効果でベンチに下げればワザのダメージは防げますが、ベンチ呼び出し効果や間接ダメージには脆いです。また、雷タイプゆえの闘タイプへの弱点もあり、非exポケモンからワザでもHPに近いダメージをうけるリスクがあります。以上から、エネルギー管理の難しさと耐久面の不安定さが短所と言えます。
▶ デッキでの役割
ピカチュウexは主にデッキのメインアタッカーとして採用されます。高い瞬間火力で相手の切り札級ポケモンを倒し、特性で一度踏みとどまってもう一度攻撃機会を作る動きが狙いです。
ピカチュウexを中心に据えたデッキでは、いかに素早く必要な3種エネルギーを供給し続けるかがテーマとなります。専用のエネルギー加速カードと組み合わせたデッキ構築により、序盤~中盤に相手の大型ポケモンを倒す役割を担い、耐久力を活かして相手にプレッシャーをかけられるため、適切なエネルギー供給ができれば環境上位とも渡り合えるポテンシャルがあります。
▶ 大会での使用実績
登場直後から注目され、実際に大会で成果を上げた例もあります。たとえばシティリーグの報告では、ピカチュウexとハピナスexを組み合わせたデッキが優勝を収め、エネルギー加速コンボで主力アタッカーとして活躍しました。その他にも、新弾環境でピカチュウexを採用したデッキが各地の大会で上位入賞するなど、その強さと可能性が実証されています。
相性の良いカード
ピカチュウexの性能を活かすためには、エネルギー加速を中心にシナジーのあるカードとの組み合わせが重要です。以下は主な例です。
- レアコイル(かじょうほうでん)
ピカチュウexのエネルギー加速役として有力です。レアコイルは、気絶させる代わりに自分のトラッシュから基本エネルギーを最大3枚選び、自分の雷タイプのポケモンに付けることができます。この効果で一気に3エネルギーを供給し、ピカチュウexの「トパーズボルト」を即座に使用可能にします。進化前のコイルをミライドンexの特性でベンチに出すことで、スムーズな展開が可能です。 - ミライドンex(タンデムユニット)
特性「タンデムユニット」で山札から雷のたねポケモンを2体までベンチに出せ、ピカチュウexとコイル(レアコイル用)を同時に展開できます。序盤のセットアップが安定し、ミライドンex自身もデッキの潤滑油として機能します。 - テラパゴス(プリズムチャージ)
テラスタルを持つポケモンであるテラパゴスは、無色エネルギー1枚で使える「プリズムチャージ」により、山札から基本エネルギーを3種類選びテラスタルのポケモンに付けることができます。これにより、ピカチュウexが要求する草・雷・鋼の3種エネルギーを一度に揃えられるため、エネルギータイプの多色要求を満たす手段として有効です。攻撃技であるため、そのターンは攻撃できませんが、次のターンに素早く攻撃可能な状況を作り出します。 - ハピナスex+ガラスのラッパ
無色タイプのハピナスexと組み合わせることで、ユニークなエネルギー加速コンボが可能です。ガラスのラッパはトラッシュから基本エネルギーを1枚、無色ポケモンに付ける効果を持ち、ハピナスexは付け替え効果でエネルギーをピカチュウexに移すことができます。また、グッズ「力の砂時計」を組み合わせることで、エネルギーの消費を抑え次の攻撃に繋げやすくなります。 - デンチュラex+バチュル
雷タイプのサブアタッカーとして、デンチュラexは相手のグッズ封じ効果を持ち、戦術をずらす役割を果たします(フルグライト 180ダメージ:このポケモンについているエネルギーを、すべてトラッシュする。次の相手の番、相手は手札からグッズを出して使えない。)。また、進化前のバチュルが1エネルギーで使えるエネルギー加速ワザを持ち、序盤にエネルギーを加速してピカチュウexへ繋ぐ動きが可能です。これにより、デッキ全体の統一感と安定性が高まります。 - ヨルノズク(ほうせきさがし)
特性「ほうせきさがし」を持つヨルノズクは、進化時に自分の場にテラスタルポケモンがいる場合、山札からトレーナーズカードを最大2枚直接手札に加えることができます。ピカチュウexが場にいることで、必要なサポートカードを即座に揃えることができ、デッキの動きを安定させます。 - きらめく結晶(ACE SPEC、どうぐ)
ピカチュウexにきらめく結晶をつけることで、草・雷・鋼エネルギーのうち2枚のみでトパーズボルトを使うことができます。手張り + エネルギー加速1枚でワザを使うことができるので、がんばりハートで1度耐えたあとに、もう一度ワザをつかえる可能性が高まります。 - その他のカード
特殊エネルギー「ルミナスエネルギー」は1枚であらゆるタイプのエネルギーとして働くため、不足しがちな草や鋼エネルギーを補うのに役立ちます。
以上、ピカチュウex(テラスタル)のカードデータ、性能、環境での評価、そしてシナジーのあるカードについてまとめました。高いポテンシャルを持つカードだけに、適切なサポートとプレイングで今後のスタンダード環境でも活躍が期待されます。
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