解説するデッキレシピ:
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今回は「メガシンカ」環境において、注目を集めている「メガライボルトex」を主軸としたデッキタイプの解説です。
この記事では、レアコイルの特性による爆発的なエネルギー加速から、メガライボルトexの超高火力ワザ「ライオットブラスター」に繋げる、非常に攻撃的な雷デッキの構築とプレイングを解説します。デッキの回し方や各カードの採用理由、環境における立ち位置まで詳しくご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
このデッキのコンセプト
この「メガライボルトex」デッキのコンセプトは、「レアコイルの特性『かじょうほうでん』による圧倒的なエネルギー加速」と「メガライボルトexの超高火力による制圧力」の2つを組み合わせ、最速で相手のポケモンをきぜつさせてサイドを取り切ることにあります。
序盤から積極的に山札を掘り進め、トラッシュに基本雷エネルギーを溜め込みます。そして、1進化ポケモンのレアコイルが持つ特性「かじょうほうでん」を使い、自身をきぜつさせるデメリットと引き換えに、トラッシュから3枚もの雷エネルギーを自分の場のポケモンに供給します。
エネルギーが供給されたメインアタッカー「メガライボルトex」は、ワザ「ライオットブラスター」で最大330ダメージという、現環境でも最高クラスの火力を出すことが可能です。この一撃で相手のエースポケモンを倒し、サイドを有利に進めるのがこのデッキの基本的な勝ち筋となります。
また、サブアタッカーとして採用されている「テツノカイナex」は、ワザ「ごっこれあんプリファイ」でサイドを追加で取得できるため、進化前のポケモンを狙っていくことで試合を早期に決着させる能力も秘めています。
主な戦略と理想的な盤面
このデッキの理想的な盤面は、バトル場にエネルギーが供給された「メガライボルトex」が立ち、ベンチにはエネルギー供給源となる2体目以降の「レアコイル」(またはその進化前の「コイル」)と、次のアタッカーが控えている状態です。
基本的な戦略の流れ
- 序盤の盤面構築: 「なかよしポフィン」を使い、ベンチに「ラクライ」と「コイル」を並べます。
- リソースの準備: 「ハイパーボール」や「博士の研究」、「ゼイユ」といったカードで山札を積極的に引き進めます。この過程で、進化先の「レアコイル」や「メガライボルトex」を手札に加えつつ、特性「かじょうほうでん」で利用する「基本雷エネルギー」をトラッシュに送ります。
- エネルギー加速と攻撃: ベンチのコイルを「レアコイル」に進化させ、特性「かじょうほうでん」を使用。トラッシュから3枚の雷エネルギーをバトル場の「メガライボルトex」に加速します。
- 高火力での制圧: エネルギーが3枚ついた「メガライボルトex」がワザ「ライオットブラスター」を使用。エネルギーを全てトラッシュする選択をすれば、330という大ダメージで相手のポケモンexなどを一撃できぜつさせ、サイドを獲得します。
- リソース回復と追撃: きぜつしたレアコイルやトラッシュしたエネルギーは、「夜のタンカ」や2体目のレアコイルの特性で再利用し、2体目、3体目のアタッカーを準備して勝利を目指します。
序盤・中盤・終盤の動き
序盤(1〜2ターン目)
最初のターンで目指すのは、とにかくたねポケモンをベンチに展開することです。先攻であれば「ゼイユ」が使用できるため、積極的に手札を入れ替えて「なかよしポフィン」を探しに行きます。「なかよしポフィン」1枚で「ラクライ」と「コイル」を2体同時に場に出せるため、このカードをいかに早く使えるかが序盤の安定に直結します。
同時に、「ハイパーボール」や「大地の器」で手札をトラッシュし、後の「かじょうほうでん」のために雷エネルギーをトラッシュに用意しておくことも重要な動きです。2ターン目にはアタッカーに進化し、レアコイルの特性を使って攻撃を開始できるのが理想的な展開です。
中盤(3〜4ターン目)
このデッキが最も強力に動ける時間帯です。2ターン目、あるいは3ターン目には「レアコイル」の特性「かじょうほうでん」を起動してアタッカーへのエネルギー共有を行います。
バトル場の「メガライボルトex」で「ライオットブラスター」(330ダメージ)を使い、相手の主力ポケモンをきぜつさせ、サイドを一気に3枚獲得することを目指します。もし相手のアタッカーがたねポケモンの場合、ワザ「フラッシュレイ」(120ダメージ)を使うことで、次の相手の番にたねポケモンからのワザのダメージを受けなくなるため、盤面を有利に維持できます。
相手が進化ポケモンを使うデッキなのであれば「テツノカイナex」にエネルギー供給をすることで、レアコイルの特性 + エネルギー1枚を手張りすることでサイドを1枚多く獲得できる非常に協力なワザ「ごっつぁんプリファイ」を使用可能となります。ワザ「ごっつあんプリファイ」は、ダメージで相手ポケモンをきぜつさせるとサイドを1枚多く取れるため、残りサイドが2枚の状況でHP120以下のポケモンを倒せば、それだけで勝利となります。
サイドを先行された場合は、「カウンターキャッチャー」が強力な反撃手段となります。相手がベンチで育てているポケモンをバトル場に呼び出し、メガライボルトexの高火力で倒すことで、試合の主導権を握り返すことが可能です。
終盤(5ターン目以降)
終盤は、リソース管理が勝敗を分けます。「夜のタンカ」を使ってトラッシュにあるポケモン(特に2体目のレアコイルやアタッカー)を山札や手札に戻し、息切れしないように立ち回ります。
最後の詰めの場面では、「ボスの指令」やACE SPECの「プライムキャッチャー」を使い、相手の逃げられないポケモンをバトル場に呼び出して、確実に勝利を掴み取りましょう。
カードごとの役割解説
キーカード
- メガライボルトex このデッキの絶対的エースアタッカー。HP330という高い耐久力を持ちながら、2つの強力なワザを使い分けられます。
- ワザ「フラッシュレイ」: 120ダメージを与えつつ、次の番にたねポケモンからダメージを受けなくなる効果は、特定のデッキに対して絶大な防御性能を発揮します。
- ワザ「ライオットブラスター」: エネルギーを全てトラッシュする代わりに、200+130の合計330ダメージを叩き出せる切り札。相手のポケモンexなどを一撃で倒せる火力は、環境トップクラスと言えるでしょう。きぜつするとサイドを3枚取られる点には注意が必要です。
- レアコイル このデッキの心臓部であり、戦術の核となるポケモンです。
- 特性「かじょうほうでん」: 自身をきぜつさせるという大きなデメリットがありますが、トラッシュから基本雷エネルギーを3枚、自分の雷ポケモンに好きなようにつけられる効果は他に類を見ないほど強力です。この特性をいかに早く、そして効果的に使えるかが勝利への鍵となります。
- テツノカイナex 優秀なサブアタッカー。主に試合の終盤や、サイドレースを有利に進めたい場面で活躍します。
- ワザ「ごっつあんプリファイ」: 120ダメージを与え、相手ポケモンをきぜつさせるとサイドを1枚多く獲得できます。この効果により、非ルールポケモンを倒してサイドを2枚取る、といった動きが可能になり、相手のサイドプランを大きく崩すことができます。
グッズ・サポートカード
- なかよしポフィン / ハイパーボール 序盤の展開と山札の圧縮を担う重要なグッズです。「なかよしポフィン」でたねポケモンを並べ、「ハイパーボール」で進化先のポケモンをサーチしながら、同時にエネルギーをトラッシュに送る動きが基本となります。
- ポケギア3.0 山札の上7枚からサポートを確定で手札に加えられるため、デッキの安定性を格段に向上させます。その時々で最も必要な「博士の研究」や「ボスの指令」にアクセスできる非常に便利なカードです。
- ゼイユ / 博士の研究 手札を全てトラッシュして山札を引く強力なドローサポートです。このデッキでは、トラッシュに送りたいカード(エネルギー、レアコイル)が多いため、デメリットがメリットに転換しやすいのが特徴です。「ゼイユ」は先攻1ターン目から使えるため、初動の安定に大きく貢献します。
- プライムキャッチャー / ボスの指令 / カウンターキャッチャー 相手のベンチポケモンをバトル場に呼び出す、試合をコントロールするための必須カード群です。ACE SPECの「プライムキャッチャー」は、自分の場のポケモンとの入れ替えも同時に行えるため、非常に奇襲性が高くなります。状況に応じてこれらのカードを使い分け、相手の戦略を妨害しながらサイドを獲得していきます。
- ジャミングタワー お互いの場の「ポケモンのどうぐ」の効果をなくすスタジアムです。相手のポケモンのHPを上げる「勇気のおまもり」などを無効化し、メガライボルトexのワザで確定一撃の範囲を広げるなど、攻撃的な役割を果たします。
このデッキの強みと弱み
強み
- 圧倒的な攻撃性能: レアコイルの特性からのエネルギー加速により、2ターン目という早い段階から330ダメージを出すことが可能です。多くのポケモンを一撃で倒せるため、一度ペースを握ると相手に反撃の隙を与えません。
- 能動的なカウンター戦術の実行: このデッキの特筆すべき点は、レアコイルの特性「かじょうほうでん」を戦略的に利用できることです。この特性は自身をきぜつさせるため相手にサイドを1枚献上しますが、これを逆手に取ることで、意図的に自分のサイド枚数を相手より不利な状況にできます。これにより、強力なグッズ「カウンターキャッチャー」の使用条件を能動的に満たすことが可能になります。相手がサイドで先行している油断した隙に、ベンチで育成中のキーポケモンをカウンターキャッチャーで呼び出し、メガライボルトexの330ダメージで仕留めるという、強力なカウンター戦術を仕掛けられるのが大きな魅力です。
- 特定のデッキタイプへの完封性能: メガライボルトexのワザ「フラッシュレイ」は、たねポケモンがメインアタッカーのデッキに対して絶大な効果を発揮します。例えば、環境で猛威を振るう「タケルライコex」のような高火力のたねポケモンアタッカーが相手であっても、「フラッシュレイ」を使用すれば次の番のダメージを完全に無効化できます。120ダメージを与えながら一方的に攻撃を続けられるため、相手の戦略を根本から崩壊させ、完封勝利を狙うことも可能です。このメタ性能は、このデッキが多様な環境で勝ち抜くための重要な要素となっています。
- 高い安定性と再現性: 「なかよしポフィン」による序盤展開の安定感、そして「ポケギア3.0」や豊富なドローサポートによる事故率の低さが魅力です。毎試合、理想に近い動きを再現しやすい構築になっています。
弱み
- 特性への高い依存度: デッキの根幹をレアコイルの特性「かじょうほうでん」に頼っているため、特性「しめりけ」を持つコダックのような特性を封じるカードを使われると、動きが大幅に鈍化します。
- サイド献上のリスク: レアコイルは特性を使うたびにきぜつし、相手にサイドを1枚与えてしまいます。また、メガライボルトex(3枚)、テツノカイナex(2枚)も倒されると多くのサイドを失うため、一体一体のアタッカーを大切に扱う、慎重なサイド管理が求められます。
- リソース管理の難易度: 「ライオットブラスター」は使用後にエネルギーが全てなくなります。連発するためには後続のレアコイルの準備が不可欠であり、計画的なリソース管理ができないと、中盤以降に失速する可能性があります。